一人の少女も幸せだった
彼女は人形をいつも持ち歩き
ついたあだ名は『人形少女』
いつも赤い靴を履いて街を歩いていた
ある時街に災難が降り注いだ
「戦争だ!爆弾だ!」
幸せ脆くも崩れ去り人々逃げ惑う
爆撃容赦なく降り注ぐ
「どうして私たちがこんなめに…!」
女の呟き爆音飲み込まれて誰にも届かぬ…
『人形少女』林に逃げる
街が燃えているのを見ながら…
手に持った人形抱きしめながら
夜な夜な絶え間なく続く音を聞く
赤く光る閃光深紅に染まる街
その先にあるのは何の光か!
『人形少女』は問う
「どうして死なないといけないの…?」
少女の頭上に赤黒い塊降り注ぐ
小さな躰は粉々に
小さな人形粉々に
魂は残り『人形少女』は完全なる人形に…
それから幾年流れ小さな少女人形を持つ
赤い小さな人形を…